転換性障害の運動障害

てんかんは、脳の神経が異常に興奮したためにてんかん発作が起こる病気で、病院などで脳波検査をすれば、通常とは違った特徴的な脳波が検出されるため、病名が特定できます。てんかんには、原因不明ながらてんかん発作が起きやすい体質によるものと、脳炎や脳卒中のように身体的な原因が明らかなものの両方があります。
てんかん発作は不意に起こるものですが、ラミクタールなどの抗てんかん薬を用いることによって、効果的に予防をすることは可能です。ラミクタールには、脳の神経をしずめるはたらきがあるため、一定の用法用量を守ってラミクタールを繰り返し投与すれば、てんかん発作はあらわれなくなります。
いっぽう、てんかんと外見上はよく似た病気として、転換性障害があります。転換性障害というのは、心の病の一種であって、身体的な原因がないのにもかかわらず、運動障害や感覚器官障害などの、身体的な疾患にきわめて類似した症状を呈するものをいいます。
運動障害の例でいえば、筋力が低下する、自力で歩いたり立ったりできなくなる、上肢・下肢が麻痺する、声が出なくなる、物が飲み込めない、などといった症状があります。心の病であるため、例えば声が出ないという症状は、言いたいことが言えない、何も言いたくないといった心の葛藤や周囲の他人への抗議を身体的表現として無意識的にあらわしているものと捉えることもできます。
このような転換性障害の運動障害としてのけいれんは、ときにはてんかん発作とひじょうにまぎらわしいものですが、例えばてんかん発作の強直間代発作のように決まりきった動作が見られるというのではなく、外見だけを真似したような不規則なものとなるため、医師であれば判断がつきます。
転換性障害そのものに効果的な治療薬はありませんが、うつ症状などを併発することが多いため、抗うつ薬などを投与して効果が上がることがあります。